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研究概要

単一分子、少数分子の化学反応を利用して、脳のような働きを行うシステムを構築し、分子エレクトロニクスの新しい方向を目指しています。

実験室・設備

超高真空,環境制御可能な周波数変調走査プローブ顕微鏡,高真空極低温プローバー,LB膜作製装置,ナノインプリント装置、光電子分光装置などを配置。

学生のみなさんへ

還元論的科学
人類の科学の歴史は、物質や現象を要素に還元し、要素間の関係を精密に記述することにより発展してきました。化学の歴史を見ても、純物質の単離・精製、分子構造の精密解析、高収率反応プロセスの確立により、高い機能を有する化学物質が合成され、高度な技術文明社会が築かれてきました。

科学の新しい方向を目指そう
21世紀の初めにナノサイエンスが発展し、単一分子科学が花開きました。、単一分子の物性を詳細に調べ、分子を部品のように精密に組み上げようとする研究が盛んになりました。様々な素晴らしい成果がありますが、同時にこのような還元論的な研究スタイルでは、脳のような生体システムに迫ることは難しいということもわかってきました。たとえば、スーパーコンピュータを用いて莫大なエネルギーを投入しても、脳の機能を模倣することは容易ではありません。脳など生体が示す驚くべき機能は、化学をはじめとする自然科学や技術の大きな目標ですが、これらは還元的で決定論的な方法論だけでは到達できない領域です。生体を顕微的に見ると、膜タンパクはDNAでプログラムされた厳密に設計し尽くされた構造を持ちます。しかし一方では、細胞の形は全て異なり、神経組織はランダムな絡み合いに見えます。生体は、精密な構造と機能を持ちますが、同時にランダムネスをあるがままに受け入れて、帰納的かつ調和的に働くネットワーク型システムでもあります。

ランダムネスの意味を考えよう
我々の研究室では、分子ネットワークを用いて神経型の情報機能を持つシステムについて研究を進めています。一般的な物性研究では分子構造からバンド構造が決まり、最終的なバルクとしての物性が決まる道筋を追います。しかし神経ネットワーク型分子システムでは、ネットワーク内を信号が何度も行き来して重なり合うことによるカオス的な振る舞いなど、これまでの物性科学にはない新しい現象が期待されます。

研究していること:神経型分子ネットワーク
神経細胞は刺激に対する積和機能をもち、閾値を超えると「発火」します。生体の神経細胞は電気化学的な膜電位による極めて複雑な挙動を示しますが、神経型情報処理のミニマルモデルは、閾値を持つ非線形特性とヒステリシスです。そこで、このミニマルモデルを「神経型分子システム」として分子系で実現しようとしています。すでに、2021年9月には、高分子伝導体の分子ネットワークを利用した音声認識実験に成功しました。現在、分子骨格に関与せず、電極からも絶縁された遷移金属錯体のd軌道に着目しています。これまでに、適切な距離からd軌道へ電子をトンネル注入すれば、10-300Kの広い温度領域で熱擾乱の影響を受けずに急峻な閾値特性を示すことを見出しました。このアイデアは、実は自然界が採用してきた電子伝達タンパク質と同じ構成であり、人工的な分子の自己組織化システムを用いて、自然のエッセンスを抜き出したと言えます。さらにこの考え方を多核錯体に拡張して、多価状態を利用したヒステリシス特性(記憶に相当)を実現する研究を進めています。このような神経型特性を持つ分子のネットワークを構築して、ランダムネスに基づく信号の重ね合わせ、信号のフィードバックから生じた時空間パターン形成を利用して記憶や認識など高度な知的処理を実現することで、化学と情報科学が結びついた新しい学術のきっかけをつかむことを目的としています。

境界領域の化学
上記のような研究を行うには化学分野だけでなく、科学の広い範囲の手法や考え方が必要です。以下のキーワードは、現在、研究室でとりあげている物質、手法、現象、応用です。
遷移金属錯体、ポリオキシメタレート、導電性高分子、金属微粒子、電子伝達タンパク質、自己組織化単分子膜、時間分解静走査プローブ顕微鏡、超微細電子線リソグラフィ、低温電気物性、光電子分光、ラングミュア-ブロジェット法、電子トンネリング、ホッピング伝導、プラズモン励起、非線形写像、音声認識、確率共鳴、
現代は科学の変革期にあります。これから化学を目指す若い研究者には、確かな化学的基礎を身に着けながらも、異分野に恐れなく飛び込んでいく柔軟性と、広い俯瞰力が求められています。若い皆さんの参加を待っています。

read moreセミナー・お知らせ

2021.10.01

JST・CREST

「神経ネットワーク型分子・ナノ材料システム」の研究課題が
科学技術振興機構・戦略的創造研究推進事業(JST・CREST)に採択されました。
化学と情報科学が融合した新しい研究領域の開拓を目指します。

read morePick up

2021.09.17 ポリアニリンネットワークの電気化学特性を利用して音声認識を実現した論文が Advanced Materialsに掲載されました。
2021.02.25 キャピラリを使った液体金属のナノリソグラフィーに関する論文がScientific Reports に掲載されました。
2021.01.05 質量分析と原子間力顕微鏡を組み合わせた新手法に関する論文が、Analytical Chemistryに掲載されました。
2020.06.26 大塚助教が日本質量分析学会にて2020年度日本質量分析学会奨励賞を受賞しました。
2019.11.08 M1三坂君が第10回分子アーキテクトニクス研究会で若手優秀講演賞を受賞しました。

read moreNews & Topics

2021.05.01 山田剛司助教が表面化学研究室から反応物理化学研究室に異動しました。
2021.04.01 博士後期課程の梶本健太郎君が学術振興会特別研究員に着任しました。
2021.03.31 大塚洋一助教が准教授に昇任し、大阪大学大学院理学研究科物理学専攻に異動しました。
2020.04.01 九州工業大学生命体工学研究科の宇佐美雄生助教を本研究科招へい研究員に受け入れました。
2020.04.01 3月に博士学位を取得した宇佐美雄生君が九州工業大学大学院生命体工学研究科助教に着任しました。

read more発表等予告

2019.10.25 2019/11/12 松本教授が東北大学多元物質科学研究所「高分子・ハイブリッド材料研究センター」において、招待講演を行います。
2019.10.22 2019/10/29 松本教授が日本表面真空学会学術講演会において招待講演を行います。
2019.10.01 2019/10/16 Lin King-Chuen教授(台湾大学)の講演会を開催いたします。

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